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「なかはら歴史と緑の散策マップ」は
中原区と市民の協働による「なかはら20年構想委員会」が作成したもので、
中原区内の散策ルートを紹介しています。

初版が作成されたのは2006年。
また、二ヶ領用水竣工400年となる2010年度には4年ぶりの新版が発行され、
中原区内の各駅に地図や案内が掲示されています。

今回は武蔵小杉や新丸子、等々力地区を中心とした
「歴史の道探訪 中原街道コース」を実際に辿ってみましたので、
主なスポットの写真と併せてご紹介します。
(詳細なマップは コチラ もご参照ください)

新丸子駅の改札を出て左、東口のローソン前の柱に大きな地図があります。
これが「なかはら歴史と緑の散策マップ」です。

東急新丸子駅をスタート地点とし、多摩川方面の丸子の渡しを経由してから
JR武蔵中原駅に辿り着くまでの、計4,160mの道のりです。

中原街道沿いには多くの散策スポットが並んでいますが、
原家陣屋門もその1つとして紹介されています。

それでは新丸子駅から出発です!

丸子の渡し
昭和初期に丸子橋が造られるまでは
川を渡る唯一の交通機関として渡し船が使われていました。

松原・青木根集落跡
丸子の渡し場付近にあった集落の跡地です。
現在は整備が進み、特に週末はサッカーやゴルフなど
老若男女問わず屋外スポーツを楽しむ人で溢れています。

原家陣屋門
弊社原家の旧母屋が造られた時からあるこの表門は当時の面影を今に残しており、
その名の通り「陣屋門(じんやもん)」の呼び名で親しまれています。
総ケヤキ造りの悠然とした佇まいはGATE SQUARE小杉陣屋町のシンボルであり、
入居者や近所にお住まいの方が門を通って行き来をする姿がよく見られます。

昨年は川崎市より国登録有形文化財のお話を頂き、
専門家の視察が来るなど歴史的価値も注目されています。
(大野教授調査の様子は コチラ/文化庁・川崎市の視察の様子は コチラ

名主家長屋門
安藤家は小田原北条氏に仕えた旧家で、江戸時代より代々この地で名主を務めてきました。
長屋門は平屋建てのケヤキ造りで、19世紀中期~後期の建築と推定されています。
豪華で力強い意匠や豊富な飾り金具などが高い評価を受け、
2012年(平成24年)に川崎市の重要歴史記念物に指定されました。

御主殿稲荷、陣屋稲荷、御蔵稲荷
徳川二代将軍秀忠は、父家康が平塚の中原に御殿を建てたことに倣い、
ここ小杉の地に将軍家の送迎や鷹狩の際の休憩、宿泊に使う御殿を建てました。
後に東海道が主街道になると御殿は廃止されましたが、当時の面影を残すように
今でも住宅街にひっそりと稲荷社が佇んでいます。

西明寺
徳川家が鷹狩の休憩所として寄ったこともあるというお寺で、
緑豊かな参道と荘厳な本堂が見所です。
川崎七福神の一つでもあります。

カギの道
将軍をはじめとする幕府要人が小杉御殿に宿泊することから、
敵の侵入を防ぐ曲がりくねったカギ状の道が造られました。
西明寺の参道前で左に直角に曲がり、その先で右に直角に曲がる形状となっています。

つけぎ屋の供養塔
鈴木家という旧家のお店「附木屋(つけぎや)」の近くにある供養塔です。
土台には「東江戸、西中原」と刻まれています。

油屋の庚申塔
この呼び名は古くから「油屋」の屋号を持つ小林家の角にあったことに由来します。
「東江戸道 西大山道 南大師道」と刻字された「庚申様」が祀られています。

小杉十字路
明治30年以降に中原街道と府中街道と交差する場所となり、
付近には料理屋、旅館、劇場、床屋、医院などが集まって活気を見せていました。
一時期は乗り合馬車(後に乗り合自動車)の停留所があり、
現在も同名のバス停があることから交通の要所であったことが伺えます。

泉澤寺
もとも世田谷・烏山にあった領主吉良氏の菩提寺が消失した後、
現在の地に再建されたのがこの泉澤寺です。
本堂、四天立像、阿弥陀如来立像、泉澤寺文書が市重要文化財に指定されており、
歴史的、建築的に高い評価を受けています。

旧中原村役場跡
橘樹郡の6ヶ村(上丸子・小杉・宮内・上小田中・下小田中・新城)が
1889年に合併して「中原村」が誕生、その村役場があった場所です。
村の名前は勿論「中原街道」から取られたものです。

石像群
武蔵中原駅近くになると、神地の石塔(写真左)のほか
いくつかの石像が街道沿いに建てられています。
現在でも献花や供物が絶えないところを見ると、
昔からの民衆信仰が受け継がれているのを感じます。

 

この後、遂にゴールのJR中原駅に到着しました!
今回は各所の写真を撮ったりゆっくり見学しながら散策をしたので、
目安の所要時間が52分のところ、2時間近くかかりました…。

先日NHKの番組『ブラタモリ』にて「武蔵小杉」が特集されていましたが、
番組内で訪れていた「カギの道」や「つけぎ屋の供養塔」などもコース上にあり、
歴史や当時の人々の営みを知れる興味深い場所ばかりでした。

なかはら歴史と緑の散策マップには、今回辿った以外にも
多摩川沿いや緑道などテーマに合わせたコースが紹介されています。

春の暖かさが近づきお出かけ日和も増えてきましたので、
中原区の歴史や自然に触れながら是非散策を楽しんでみてください♪

◆歴史の道探訪 中原街道コース MAP
歴史の道探訪 中原街道コース

◆散策中の風景写真