THE KAHALA小杉陣屋町の南側共用廊下は1階から 5 階が吹抜けになっており、
吹抜けと中庭の木々の緑に囲まれた「フライング廊下」は
その名のとおり廊下が空中に浮いているような感覚で、四季の移り変わりを楽しめます。
今回、このフライング廊下の基礎である1階の坪庭で
植栽整備と新たなオブジェの設置を行いました。
第1段階:竹の植替え、シュロチク植樹(2021年11月)
これまで1階の坪庭には3階に達するほどの高さの竹を植えていましたが、
場所により日当たりや風通しの差があり、一部に枯れが見られるようになっていたため、
生育状態の良い竹は大切に残し、より生育環境に適する「シュロチク」へ植替えました。
シュロチクはヤシ科の植物で、寒さに強く屋外でも育てやすいのが特徴です。
艶のある濃い緑色の葉をつけることから別名「緑の宝石」とも称されます。
また高さが1.5~2.0mと人の目線に近いため
廊下を行き交う皆様の目に自然と入りやすいことも決め手の1つでした。
第2段階:瓦と犬矢来の設置(2022年1月)
シュロチクが根付いた頃、瓦と犬矢来の設置が行われました。
瓦は原家の旧母屋で実際に使われていたもので、
お隣のTHE RESIDENCE 小杉陣屋町エントランス前植栽整備の際にも活用されています。
(当時の整備の様子はコチラ)
まず、坪庭手前側の土を瓦がしっかり埋まる深さ(約50cm)まで掘ります。
この作業だけで半日以上を費やし、その深さに思わず驚いてしまいました。
そこに瓦を並べながら1/3程度の高さまで土を入れて固定します。
実際に並べてみると想定していたサイズとはどうしても多少のズレが発生するものですが、
そこは造園のプロ、その場で瓦の一部を見た目に影響しない範囲でカットする等、
微調整を重ねながら整然と並べていきます。
その後更に土を入れ、その上に砂利、小石、大きい石を並べて整えます。
そして最後は「犬矢来(いぬやらい)」の登場です。
京都の町屋等で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
美しい街並みの景観を演出する一方で、実用的で生活に根差した面もあります。
「犬をやらう(追い払う)」がその語源で、元来は犬の放尿除けを目的に作られた柵です。
他にも雨や泥はねの防止、道路と家の敷地の境界線の役目等があります。
今回は残した竹と、シックで落ち着いた物件の雰囲気ともマッチするよう
竹製で小型のものを組み合わせました。
原マネージメントでは
「良いものは大切に残し、受け継いできたものを活用する」という
SDGsにも通ずる精神の下、物件の価値向上の取組みに励んでいます。
今回の植栽整備やアート空間の創出もその1つ。
代表原を含め施工・造園会社の方と何度も綿密な打合せと現地での確認を重ね、
単に造り替えるのではなく、竹や瓦を再活用した形で実現しました。
今回撤去された竹のうち、状態の良い部分もDIYが得意な管理員さんの手によって
1階廊下と中庭の境目に置いている仕切りの部品に生まれ変わりました!
歴史や想いを大切に受け継ぎ生まれ変わった空間の魅力を
感じていただければと思います。