先日取り上げました日本民家園のプロジェクションマッピングイベント
<KAWASAKI × NAKED, INC. -ふるさと結び- in 川崎市立日本民家園>
今回はその模様をご紹介いたします。
(*イベントに関する記事はコチラ)
到着した18時過ぎはちょうど良い宵の頃を迎えていました。
受付でしっかり消毒・検温をし、まずは「ディスタンス提灯」の貸出しです。
来場者同士の距離を保ちつつ、自らもアート作品の一部になれるという参加型コンテンツで、
地面に映し出された光の模様で足元を照らしながら進んでいきましょう。
<旅人達> 鈴木家住宅
福島県の馬宿であった鈴木家の屋内壁には、山を超え森の中で長い道を歩く旅人の様子を
影絵を彷彿させる映像で表現しています。
夜の静けさが、照らし出された映像の趣をより一層引き出してくれます。
<旅立ちの門> 佐地家の門・供待
ナイトウォークの始まりは、名古屋の武家屋敷の一部であった佐地家の門です。
白い漆喰仕上げが美しい壁と門一面にプロジェクションマッピングが施され、
稲穂の生長や花が舞うような映像、古民家のふるさとが次々に映し出されます。
映像と共に流れる和の音楽と相まって、荘厳な雰囲気すら感じました。
<彩(いろどり)の庭> 三澤家住宅
長野県伊那市がふるさとの三澤家住宅の庭では、幻想的なライトアップの美しさに加え、
スマートフォン専用アプリのARカメラをかざすと、
画面上で桜色の花びらが舞ったり、花畑が広がる不思議な体験ができます。
周辺はほのかに甘い花の香りが漂う演出もされており
五感を使って春の訪れを感じられるスポットとなっています。
※アプリを事前にダウンロードしてから行くとスムーズでオススメですよ♪
<名主の迎え> 佐々木家住宅
かつて長野県南佐久郡八千穂村で名主(村の政治の責任者)だった佐々木家住宅の壁面には
様々な色に変化していくライトがあてられ、正に「映える」スポットとなっています。
住宅に人々が集う賑やかさと歓迎を表現しているそうで、多くの方が楽しそうに写真を撮っていました。
<記憶の窓> 山下家住宅
民家園で随一の大きさを誇る山下家住宅はかつて白川郷にあった合掌造の民家です。
その障子に日本各地の民家にまつわる思い出や、四季折々の美しい風景を
プロジェクションマッピングで投影します。
本イベントの1番の目玉スポットということもあり、
四季の移ろいやふるさとの魅力を伝える映像美は勿論のこと
映画のスクリーンで見ているかのような迫力に圧倒されました!
いかがでしたでしょうか。
豊かな緑に囲まれた昼間の雰囲気とは一味異なり、古民家の趣、ふるさとの懐かしさを感じながら、
新しい魅力を発見することのできるとても素敵なナイトウォークを楽しむことができました。
まだまだ夜は冷える日もありますので、防寒と感染対策に注意しながら
お楽しみいただければと思います。
KAWASAKI × NAKED, INC. -ふるさと結び- in 川崎市立日本民家園
※詳細はHP等でご確認ください。
場所:日本民家園(神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-1)
期間:2022年2月23日(水)~3月31日(木)
時間:17:30~21:30(最終入園21:00まで)
料金:火~木:大人1,000円、子ども500円、
金土日祝日:大人1,400円、子ども900円
販売窓口:前売り券 チケットぴあのプレイガイドで販売中
(https://w.pia.jp/t/kawasaki-naked)
日本民家園では「ふるさと」をテーマにしたナイトウォークイベント
<KAWASAKI × NAKED, INC. -ふるさと結び->が開催中です!
民家園ではこれまでも夜桜、お月見等、様々な夜間イベントが催されてきましたが、
今回は「古民家×プロジェクションマッピング」という
古き良き日本の風景と最先端の技術が融合したこれまでにない新しい形でのイベントです。
古民家に映し出されたプロジェクションマッピングや庭のライトアップ等を歩きながら楽しめ、
夜間ならではの趣ある雰囲気と幻想的なアート空間を味わうことができます。
今回は「ディスタンス提灯」も登場し、1グループずつに貸し出されます。
地面に直径約2mの光の輪が投影されることで来場者間の距離を確保しつつ、
自らも光のアート作品の一部になれるという参加型のコンテンツです。
これらの演出を手掛けるのはクリエイティブカンパニー「NAKED(ネイキッド)」
二条城や平安神宮、台湾のランタンフェスティバル等、
国内外を問わず様々なプロジェクションマッピングイベントを手掛けています。
また本イベントは、コロナ禍で新しく生み出され、川崎市も推進する
「マクロツーリズム」や「ナイトタイムエコノミー」の更なる促進を図ることも目的としており、
新しい観光の形・施策による経済活動の喚起や資源の創出を目指しています。
イベント事務局である生田緑地に伺ったところ、
約1時間かけて計7つのスポットをゆったり楽しめるコースとなっているそうです。
混雑緩和等の面から前売り券の購入が推奨されていますので
ご興味のある方はお早めにご確認ください。
伝統と自然に囲まれた民家園で幻想的な光の演出が散りばめられた
かつてないナイトウォークを楽しんではいかがでしょうか。
KAWASAKI × NAKED, INC. -ふるさと結び- in 川崎市立日本民家園
*詳細はイベントHP等でもご確認ください。
期間:2022年2月23日(水)~3月31日(木)
※休止日:月曜日(祝日の場合は開催)、祝日の翌日(土日の場合は開催)
時間:17:30~21:30(最終入園21:00まで)
※昼間入園した方は再度入園が必要。
主催:川崎市、KAWASAKI × NAKED -ふるさと結び-製作委員会
企画:株式会社ネイキッド、株式会社日比谷花壇
総合演出:株式会社ネイキッド
料金:火~木:大人1,000円、子ども500円、
金土日祝日:大人1,400円、子ども900円
※入園料含む
販売窓口:前売り券 チケットぴあのプレイガイドで販売中
(https://w.pia.jp/t/kawasaki-naked)
※その他、当日会場窓口でも販売予定。
日本民家園
(神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-1)
<アクセス>
鉄道
・小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口から徒歩13分
・JR南武線「登戸駅」生田緑地口から徒歩25分
バス
・小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口バスターミナルより
川崎市バス【溝19】おし沼経由「溝口駅南口」行き乗車
⇒「生田緑地入口」下車、徒歩3分
・南武線「武蔵溝ノ口駅」、東急田園都市線「溝ノ口駅」南口バスロータリーより
川崎市バス【溝19】「生田緑地入口」経由「向丘遊園駅南口」行き乗車
⇒「生田緑地入口」下車、徒歩3分
暦の上では立春が過ぎましたが、関東地方は寒い日が続いていますね。
厳しい寒さの中、GATE SQAURE 小杉陣屋町(以下”GS”)の陣屋門プラザでは
春の訪れが近づいていることを感じられる梅や桃の花が咲き始めています。
御神木の近くの植え込みでは、鮮やかに紅白に色づいた梅が顔をのぞかせています。
この梅は GS プロジェクトが進んでいた約 8年程前に
敷地にあった母家の鉢植えから移植した樹木です。
小ぶりながら毎年鮮やかな花弁を見せてくれるようになりました。
かつて原家ではお正月を迎えるにあたり、梅の盆栽を取寄せる慣習があり、
こうして凛とした梅の開花が目に留まると
当時の生活や思い出がよみがえり、感慨深いものがあります。
- 稲荷社横の桃の木
- 白い花が咲き始めていました
稲荷社横の桃も可愛らしい白い花を咲かせています。
GS プロジェクトに伴い、原家の敷地内にあった数々の植栽のうち
柿や枇杷など一部は残念ながら移植することが叶いませんでしたが、
この桃の木は最後の 1 本を大切に残すことができ、
稲荷社に訪れる人々を静かに見守り続けています。
- 旧母屋の瓦を活用した一角
- ピンクの蕾を見せるジンチョウゲ
こちらは先月行われた植栽整備の際、
原家旧母屋の瓦をアーティスティックな仕切りに活用した一角です。
目を惹く紅色の葉を茂らせたオタフクナンテンのすぐそばには
ジンチョウゲの濃いピンク色の蕾が見られます。
この「花芽」と言われる時期(冬の約3か月)を忍耐強く過ごし、
やがて春を迎えると淡いピンク色の花を咲かせます。
夏のくちなし、秋の金木犀と合わせて三大香木と称されるほど香り高い花なので、
暖かい風に乗って漂う香りが今から楽しみです。
植栽が豊富な陣屋プラザは四季を感じられる場所が数多くありますので、
折々の美しさを間近に楽しんでいただければと思います。
2月に入って初めて迎える午の日のことを「初午」と言い、
2022年は2月10日(木)が初午となります。
- 原家の稲荷社
- 初午のお供え
GATE SQUARE 小杉陣屋町の陣屋門プラザには
原家が先祖代々大切に守ってきた稲荷社があります。
毎年、神様の使いとされるキツネの好物である油揚げをはじめ
メザシ、米、塩、お酒、ミカン等をお供えしており、
大切な年中行事の1つとして受け継がれています。
昔は子どもたちが太鼓を持って稲荷社のある家々を回り
稲荷寿司やお団子などをふるまう風習があったそうで、
かつては原家でもお参りに来た子どもたちにお菓子やお面を配り、
太鼓の音と子どもたちの元気な声で賑やかだったと伝えられています。
初午のお供えとして最もポピュラーなのは油揚げ。
地域、神社によってはそれを使った稲荷寿司をお供えします。
ちなみに、稲荷寿司は関東と関西で形や具材が違うとご存知でしたか?
関東は四角(俵型)で具材は酢飯のみ、ゴマ等、シンプルなものが多く、
関西は三角でニンジンやシイタケ等、いわゆる「五目」が入るのが基本です。
この機会にご近所や故郷ならではの風習に触れてみてはいかがでしょうか。
THE KAHALA 小杉陣屋町には中原街道から北側に向かう道路に面するように
「KAHALA小路」という歩道を設けています。
- KAHALA小路
- 夜は行灯とイルミネーションが灯ります
ご入居者様を始め、登下校のお子様、散策を楽しまれる方等、日々多くの方が行き交い、
夜は行灯と植栽に巡らせたイルミネーションの優しい光が足元を照らします。
このKAHALA小路に面した入居者駐車場について
入出庫の際に通行者が見えづらいとご相談を頂いておりました。
通学路でお子様の通行が多い場所でもあることも鑑み、
地域の安全性向上のためにカーブミラーの設置を考案し、本日完了いたしました!
- 設置の様子
- 映る範囲を慎重に確認します
映る範囲を確認し、角度を微調整しました。
枠や板の色は一般的なオレンジではなく
物件と周辺の景観に配慮しブラウンを採用しました。
カーブミラー1基といえども、街の美観・景観まで考えて検討するのが
原マネージメントのこだわりです。
ドライバー、ご通行の皆様がお互いに安全確認しやすくなりますので
事故防止に役立ていただければと思います。
今後も地域の安心・安全に貢献できるよう取り組んでまいります。
THE KAHALA小杉陣屋町の南側共用廊下は1階から 5 階が吹抜けになっており、
吹抜けと中庭の木々の緑に囲まれた「フライング廊下」は
その名のとおり廊下が空中に浮いているような感覚で、四季の移り変わりを楽しめます。
今回、このフライング廊下の基礎である1階の坪庭で
植栽整備と新たなオブジェの設置を行いました。
第1段階:竹の植替え、シュロチク植樹(2021年11月)
これまで1階の坪庭には3階に達するほどの高さの竹を植えていましたが、
場所により日当たりや風通しの差があり、一部に枯れが見られるようになっていたため、
生育状態の良い竹は大切に残し、より生育環境に適する「シュロチク」へ植替えました。
- 植替え作業の様子
- 青々としたシュロチクが仲間入りしました
シュロチクはヤシ科の植物で、寒さに強く屋外でも育てやすいのが特徴です。
艶のある濃い緑色の葉をつけることから別名「緑の宝石」とも称されます。
また高さが1.5~2.0mと人の目線に近いため
廊下を行き交う皆様の目に自然と入りやすいことも決め手の1つでした。
第2段階:瓦と犬矢来の設置(2022年1月)
シュロチクが根付いた頃、瓦と犬矢来の設置が行われました。
瓦は原家の旧母屋で実際に使われていたもので、
お隣のTHE RESIDENCE 小杉陣屋町エントランス前植栽整備の際にも活用されています。
(当時の整備の様子はコチラ)
- 手前に深い穴を掘ります
- 瓦を固定しながら並べていきます
- 瓦の隙間を埋め砂利等を敷いていきます
まず、坪庭手前側の土を瓦がしっかり埋まる深さ(約50cm)まで掘ります。
この作業だけで半日以上を費やし、その深さに思わず驚いてしまいました。
そこに瓦を並べながら1/3程度の高さまで土を入れて固定します。
実際に並べてみると想定していたサイズとはどうしても多少のズレが発生するものですが、
そこは造園のプロ、その場で瓦の一部を見た目に影響しない範囲でカットする等、
微調整を重ねながら整然と並べていきます。
その後更に土を入れ、その上に砂利、小石、大きい石を並べて整えます。
そして最後は「犬矢来(いぬやらい)」の登場です。
京都の町屋等で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
美しい街並みの景観を演出する一方で、実用的で生活に根差した面もあります。
「犬をやらう(追い払う)」がその語源で、元来は犬の放尿除けを目的に作られた柵です。
他にも雨や泥はねの防止、道路と家の敷地の境界線の役目等があります。
今回は残した竹と、シックで落ち着いた物件の雰囲気ともマッチするよう
竹製で小型のものを組み合わせました。
原マネージメントでは
「良いものは大切に残し、受け継いできたものを活用する」という
SDGsにも通ずる精神の下、物件の価値向上の取組みに励んでいます。
今回の植栽整備やアート空間の創出もその1つ。
代表原を含め施工・造園会社の方と何度も綿密な打合せと現地での確認を重ね、
単に造り替えるのではなく、竹や瓦を再活用した形で実現しました。
今回撤去された竹のうち、状態の良い部分もDIYが得意な管理員さんの手によって
1階廊下と中庭の境目に置いている仕切りの部品に生まれ変わりました!
歴史や想いを大切に受け継ぎ生まれ変わった空間の魅力を
感じていただければと思います。
原マネージメントのギャラリーでは
ご入居者様や地域の皆さまへ
街の歴史やイベント等の情報発信をしております。
直近は全国有数の街道である「中原街道」が展示テーマでしたが
この度川崎の歴史や生活に深く根付く「多摩川」をテーマにしました。
川崎市と東京都の共通した地名に見られる「暴れ川」の影響、
かつて数十万人が楽しんだという丸子多摩川花火大会、
オートレースが開催されたスピードウェイ跡等、
「多摩川」に関する歴史・逸話を紹介しています。
また、地元住民に古くから親しまれている名所フォトの展示を始めました。
一年を通じて四季折々の風景をご紹介してまいります。
古地図ボード右隣には代表 原が再開発に携わった
Kosugi 3rd Avenueのコーナーを設けており、
イベント情報等を発信しております。
1/15(土)にはホットヨガスタジオの「LAVA」がOPEN。
LAVA初のカフェスペースがあり、プロテインスムージーを頂くことができます。
プログラムもスタンダードなものから、暗闇ヨガ等、一味違ったものもあるとのことなので、
極めたい方から初挑戦の方まで幅広く楽しめると思います。
是非こちらもご注目ください。
年明けから寒さが一層厳しくなってきましたが、
ギャラリー周りはお天気に恵まれると爽やかな青空がいっぱいに広がり
豊かで逞しい植栽のエネルギーも感じます。
四季の移ろいと共に、街の歴史・魅力を楽しんでいただければ幸いです。
「等々力緑地」は川崎市中原区にある総合公園で
川崎フロンターレのホームスタジアムを始め様々な運動施設、公園、釣り場等を有し、
多種多様な市民の憩い・集いの場を提供しています。
今回、等々力緑地の多彩な魅力に触れられるイベント
「PARK &」が3日限定で開催されます。
等々力緑地は多摩川に隣接し、豊かな緑に囲まれた自然あふれる空間です。
これまでも緑地内の整備は段階的に進められてきましたが、
施設の老朽化、武蔵小杉駅周辺の再開発の進行、
また昨今の台風被害等を受けた防災面強化の必要性の高まり等、
施設を取り巻く環境が大きく変化してきました。
これに伴い、都市機能の強化と魅力溢れる街づくりを一層進めるべく
2020年に川崎市で再編整備事業の取組み方針が策定され、
この取組みの実証実験として今回のイベントが開催されることとなりました。
市と民間企業とが協力し、コロナ禍によって生まれた新しい価値観
「ワーケーション」「マイクロツーリズム」等を実現する場として
下記6つのテーマの下で多彩な活動が企画されています。
(1) WORK
…陸上競技場内のVIP席等で仕事や勉強ができます
(2) ENTERTAINMENT
…演奏、ダンス、大道芸、キッズチア等、多彩なパフォーマンスが楽しめます
(3) EAT
…様々なジャンルのフードトラックが集まり美味しい食事が楽しめます
(4) HEALTH
…等々力競技場の芝生の上でヨガレッスンを受けられます
(5) SPORTS
…サッカー教室、フリースローチャレンジ等、楽しくスポーツに触れられます
(6) MORE
…他にも球場内での野外映画上映、世界各国の遊具を使った遊び体験等
大人も子供も楽しめる催しが目白押しです
*事前に予約・申請が必要なアクティビティもありますので
ご興味のある方はお早めにご確認ください。
本イベントでは来場者に再編整備に向けて期待・希望する調査も行い、
今後の再編整備計画の参考になるそうです。
整備が進み、ますます機能と魅力が高まっていく等々力緑地
今後どのように生まれ変わるのか楽しみですね。
PARK &
*詳細は公式HP、SNS、チラシでもご確認ください。
主催:川崎市
日程:1月14日(金)~16日(日)
会場:等々力緑地
東急東横線「新丸子」駅から徒歩15分
JR南武線線「武蔵中原」駅から徒歩17分
JR南武線・東急線「武蔵小杉」駅よりバス15分「市営等々力グランド入口」下車
1936(昭和11)年に日本そしてアジア初の常設サーキットとして
多摩川河川敷に誕生した「多摩川スピードウェイ」
かつてその跡地には全長300mに及ぶコンクリート製の観客席が
産業・文化の遺構として残されていました。
当時は1周1,200mのコースが整備され、
そのメインスタンド横に堤防の斜面を利用した観客席が設けられました。
長さは300m以上に及び、3万人もの観客を収容したといいます。
1928(昭和13)年まで計4回の自走者レースが開催され、
第1回大会には本田技研工業の創業者・本田宗一郎もドライバーとして参加、
驚異的なスピードを出したという有名なエピソードが残っています。
また1967(昭和42)年まで続いた丸子多摩川花火大会の際にも多くの観客で賑わったと言い、
以降も多摩川の遺構、憩いの場として地域住民に親しまれていました。
■2021年10月撮影
- 東急線を臨む観客席跡
- 80周年記念に制作されたプレート
しかし、昨今の台風の影響を受けて周辺の堤防強化工事が行われることが決定。
当初はこの階段も全て撤去の方向で話が進んでいたようです。
そのような中、同施設の歴史を伝える「多摩川スピードウェイの会」は
国交省に計画見直しの申し入れを行う等保存に向けて熱心に活動を続け、
その結果、観客席の一部と記念プレートは無事に移設保存されることとなりました。
10月に撮影に赴いた際は階段や周辺の景色を眺めたり撮影する方の姿も多く、
解体間近の遺構を惜しむ人々の想いが伝わってくるようでした。
■2021年12月撮影
- 工事の進む観客席跡
- ほぼ全域解体された状態でした
11月から階段の解体・撤去が着手され、2022年3月末に完了予定とのこと。
その姿が失われてしまったことは大変惜しまれますが、
当時の人々の熱狂する様子やここで紡がれてきた歴史、
そしてそれらを遺そうと取り組んできた人々の情熱に想いを馳せながら
工事終了までの経過を見守りたいと思います。
<参考>
・羽田猛(2015)『中原街道と武蔵小杉〜写真で綴る周辺の今昔~』
・多摩川スピードウェイの会 公式Facebook